ハワイアンズの玄関口に登場したモノリスタワー。 すでに宿泊された多くの方々が、清潔感あふれる部屋はもちろん、舌も目も楽しませてくれる料理、スパのすばらしさを口にしています。しかし新ホテルの魅力はこれだけではありません。モノリスタワーには本場ハワイでもあまりみかけない本物へのこだわりが館内のあちこちに施されているのです。
ハワイアンズは創設以来、「ハワイの文化をわかりやすく伝える」というメッセージを大切にしてきました。「日本のハワイ」をモットーに作られた総合娯楽施設ですから、より親しみやすさを感じていただくために、さまざまな部分をローカライズしています。「ハワイをテイストにしつつも、心安らぐ日本的な隠し味が注ぎこまれた施設」と言ってよいでしょう。
モノリスタワーではハワイへのこだわりをさらに押し進め、本格的なハワイ文化を表現することにしました。本場のハワイでもあまり見られないような本物の香りを、館全体に施したのです。メインホールからエレベーターホール、廊下から客室、レストランからスパ、エクステリアに至るまで、すべてがひとつの物語になっています。写真、絵画、彫刻、版画から壁面の木質に本物のハワイを演出し、ハワイ文化の深いメッセージが伝わるようにデザインしたのです。モノリスタワーに滞在するということは、お客さまひとりひとりがハワイの伝統文化に触れて物語をなぞる、ちょっとした探検空間にいることでもあるのです。
モノリスタワーはドアを開けて入ったロビー正面にレリーフ仕様のウォールが立ち上がっています。その奥には巨大な植物のオブジェがあり、右手には壁面いっぱいに広がる彫刻があります。また、フロントの左手には客室にも飾られている小さな彫刻が並んでいます。これらの作品はみなハワイをイメージした内容が描かれていますが、実は互いに関連づけられ、ひとつの物語にもなっているのです。今回はレリーフ仕様のウォールに絵が描かれた題材についてお話ししましょう。
ハワイ諸島は火山活動によって太平洋上に誕生しました。これらの島々に住みついた人たちは火山の噴火活動に大きな影響を受けました。流れ出す溶岩はときに集落を飲み込み、畑や人の命を飲み込んだからです。火山は人知の及ばない強大なパワーがうごめくところという恐怖心から、ハワイの人々はそこに火の女神がいると信じ、ペレと名付けました。火の女神ペレの機嫌を損ねることは重大な罪でもあったのです。
ハワイにもっとも広く分布する在来の植物にオヒアという木があります。溶岩が流れ落ちて荒野が出現したあと、最初に根付くのがこのオヒアです。この木には赤く燃え立つような炎状の花がつきますが、人々はそれをレフアと呼びました。黒々とした溶岩の大地に咲く、燃え立つような赤い花はとても目立ちます。人々はいつしかこの花が火の女神ペレの化身であると信じるようになりました。炎にたとえたレフアの花は、特別の思いがこめられたものとして、ハワイの歴史のなかではとくにたいせつにされてきたのです。フロントロビーに立ち上がるウォールに描かれているのは、オヒアの木に咲くレフアの花なのです。
モノリスタワーでは火の女神ペレとレフアの花を中心に、古代から面々と受け継がれてきたハワイ独自の文化を表現しようと、さまざまな工夫を凝らしています。レフアの花はロビー内だけでなく、通路や客室の一部にも別の形で描かれています。次に訪れる機会がありましたらぜひ探してみてください。